不 動 産 投 資

一般的な不動産投資の特色と収益

投資期間が長期となる。
 保有資産の流動性が低下するため、不動産投資は、流動性が高い投資に比べ高い収益を求めることとなる。また、証券化など資産の流動化が必要となる。
投資額が他の投資に比べ多額となる。
 資金調達方法の違いにより、自己資本に対する収益率、投資の危険性(リスク)が異なり、資金調達の方法の選択も資産選択の重要な要素となってくる。

収益獲得が経営手腕に依存する。
 収益が投資主体またはその代理人の経営能力によって変化してしまう。

キャピタルゲイン(資産価値の増加)が期待できる。
 不動産の価格が周辺の地域環境の変化(公共公益施設の整備など)や投資環境の変化(金利低下など)によって上昇することに根ざす。一般的には経済成長や地 域環境の改善等に伴い不動産価格は上昇することから、キャピタルゲインが期待される。キャピタルゲインは不動産に期待される収益の重要な構成要素となる。それと同時にキャピタルロスの危険性も内包する。

償却資産保有などによる税務効果がある。

 不動産収益が当初小さく、徐々に増加し大きくなっていくことに関連する。
すなわち、償却資産の存在(減価償却)、資金調達コスト(金利)の存在から、当初数年は赤字となることが多く、この赤字部分を他の事業の黒字と合算することにより、黒字部門で納めるべき税金が減少する。
 また、不動産のようにキャピタルゲインに対する期待が大きな投資にとっては、未実現キャピタルゲインに対する非課税は大きな税務効果となる。

将来収益が不確実である。
 不動産に期待される将来収益が確実なものとして見積もることができないことを示し、これが不動産投資のリスクを形成することになる。特にキャピタルゲインの予測は不確実性を伴う。
 但し、期間収益(インカムゲイン)は比較的安定しているから、これを重視することで不確実性を除去する必要がある。

盗難・滅失の危険がない。
 建物は火災の心配はあるが、土地は滅失の損失の心配はほとんどないこと、また、借地・借家関係の発生など権利の保全の問題はあるにしても盗難の問題はないことを意味する。資産の物的損害等の純粋リスクは、回避できることを示している。

開発利益が発生するケース、他の開発の開発利益が帰着するケースがある。
 保有不動産に対する愛着、保有によるステータスなど金銭化し得ない利益が存在する。
 投資分析に入れることのできない収益が存在していることを示している。開発利益の発生とは、当該不動産投資の実行(開発)により周辺環境の向上など、周辺地域に利益を与え同時にそれが跳ね返ってくることをいい、開発利益の帰着とは鉄道・道路等の基盤整備または他の民間の開発により当該不動産が利益を受けることをいう。開発利益については、その確実なものは収益の一部に組み入れることができる。
 愛着度やステータスについては個人の主観に依存する部分が多いので、利回りに反映させることが困難である。

 

D C F 法

 不動産評価におけるDCF法とは,評価対象不動産が将来得られる家賃などのキャッシュフローを現在価格に割り引いた額を合計した金額をその不動産の評価額とするものであります。
 このDCF法は収益不動産を測定する方法として誰にでもわかりやすい手法であります。アメリカ等の欧米諸国の不動産業界では収益用不動産の価値を分析する場合,最も一般的に利用されている方法であり,考え方も特別に難解なものではありません。
DCF法による、具体的な評価方法等についてはメール等でご連絡ください。

 キャッシュフローの重要性が最近企業会計において強調されつつあります。
キャッシュフローを重要視する考え方は、不動産投資において最も必要とされるところであります。
不動産の価値(自己使用住宅を除く)は、不動産を所有することによって将来いくらのお金が入るかによって決まると思います。
 日本においては過去、土地神話が信じられていた時代には、不動産から得ら
れる毎年の純収益についてはあまり関心がありませんでした。投資家は、不動産を購入した結果、毎年の純収益が赤字となっていたとしても、将来値上がり益が確保されることを期待し購入した不動産を所有しつづけることに努めてまいりました。不動産に対する将来のキャピタルゲインを期待し、毎年のキャッシュフローについては関心をもっていなかったと思います。
 しかし、今後は不動産のキャピタルゲインは期待することは難しくなり、不動産から得られる毎年のキャッシュフローが重要となると思います。今後、不動産投資をどのように行うべきかを判断する場合には不動産投資による毎年のキャッシュフローを重視することが必要になると思います。
 将来のキャッシュフローを予測して、将来の収入金額を現在価値に割り戻して、不動産の価値を求めるのがDCF法であります。

 有効活用の手法・方式と仕組み
 

 土地の有効活用の手法はさまざまです。

「等価交換」「事業受託」「事業受託・等価交換複合」「定期借地権方式」「土地信託」の各方式の仕組みを。

 等価交換方式の仕組み

 等価交換とは、土地所有者が土地を出資し、デベロッパーが建築関係費用全体を出資し、完成した土地・建物をその出資額の比率に従って分有(あるいは共有)する方式です。土地所有者は、土地の一部を売却することにより、建物一部を等価で取得することになるため、一般に等価交換と呼ばれているが、実態は交換でなく、土地の売却とその代金よる建物への買い替えと考えるべきです。

 事業受託方式の仕組み

 等価交換が土地の持分を一部売却することによって事業メリットを生み出すのに対し、事業受託方式は、土地を一切手離すことなく事業を行う方式です。
事業の仕組みは比較的単純です。土地所有者が自ら事業の主体となって建物を建築し、それをデペロッパーなどに一括して賃貸して安定収入を得る。